昔は常識とされていた子育てのやり方も、今は古いといわれていることって結構ありますよね。
姑が口出ししてくるような、いまの育児の常識とは違う育児の考え方。
たとえば、
- 抱き癖はよくない
- 授乳は3時間おき
- 沐浴後に湯冷ましを飲ませる
- 離乳食準備のために果汁やスープを飲ませる
- 1歳前からオムツ外しを始める
などが、昔の育児の常識とされていました。
このような昔の古い子育てのやり方を、義母から押しつけられて悩んでいる人ってけっこう多いんですよね。
そこで今回は「義母の時代の子育てと現在の子育ての違い」についてまとめてみました。
「義母の時代の子育て」と「現在の子育て」の違い
抱っこ
昔⇒抱き癖はよくない
今⇒たくさん抱っこしてあげたほうが自己肯定感が育つ
「抱き癖はよくない」という義母世代の考え方は、昭和30年代に日本中に広まりました。
この考え方が広まったのは、当時人気だった育児書「スポック博士の育児書」に「抱き癖をつけると、赤ちゃんが抱っこを求めてしょっちゅう泣くようになり手がかかるし、また、しっかり泣かせたほうが肺も強くなる」と載っていたため、抱き癖はよくないと考える人が増えたんですね。
その考え方が親から子へ受け継がれ、今でも抱き癖はよくないと思っている人が少なくありません。
現在では抱き癖は心配せず、むしろ「たくさん抱っこしてあげたほうが赤ちゃんの心の成長につながる」という考え方が主流となっていますが、義母世代とは真逆の考え方なのでなかなか理解してもらえないのが歯がゆいところですね。
授乳
昔⇒3時間おきの授乳
今⇒赤ちゃんが欲しがるとき
昔は「授乳は3時間おき」というのが一般的でしたが、実は明確な根拠はなく単なる目安です。
授乳間隔は、赤ちゃんによって個人差があるため、現在の育児では「赤ちゃんが欲しがるタイミングで授乳するのがいい」といわれています。
ただ、生後1ヵ月までの赤ちゃんは脱水が起きると栄養が相対的に不足することがあるので、次の授乳まで4時間以上あかないように指導している病院が多いようです。
沐浴後の湯冷まし(白湯)
昔⇒沐浴後は湯冷まし(白湯)を飲ませる
今⇒いつもどおりの母乳、またはミルク
義母の世代は沐浴後に白湯を飲ませることが当たり前でしたが、沐浴を行う時期の赤ちゃんは汗をかくことはほとんどないため、沐浴後の白湯の必要はなく、いつもどおりの母乳やミルクでじゅうぶん。
また、赤ちゃんはふだんから母乳やミルクで水分補給をしているので、沐浴後だけ白湯にする必要もありません。
離乳食の時期
昔⇒生後3、4ヵ月頃から離乳食の準備として果汁やスープを飲ませる
今⇒生後5、6ヶ月頃までは母乳、ミルク以外は必要ない
昔の母子手帳には、生後3、4カ月の欄に「果汁やスープを飲ませていますか?」という項目があったため、飲ませないといけないという考え方が浸透していました。
私も子どもを産んで2ヵ月くらいのとき、義母から「果汁は飲ませなくていいの?」と言われたことがあります。
ですが、現在の離乳食開始時期は5、6ヶ月頃が適当で、母乳やミルク以外は必要ないと厚労省の支援ガイドにも記載されています。
離乳の開始前の子どもにとって、最適な栄養源は乳汁(母乳又は育児用ミルク)であり、離乳の開始前に果汁やイオン飲料を与えることの栄養学的な意義は認められていない。
2019年・厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」より引用
卒乳
昔⇒1歳を過ぎたら「断乳」
今⇒自然と「卒乳」するのを待つ
今は「卒乳」が当たり前ですが、昔は「断乳」と呼ばれ、1歳を過ぎたらおっぱいをやめるのがふつうとされていました。
これも昔の母子手帳に「1歳を過ぎたら断乳を」と載っていたため、2歳、3歳になっても母乳をあげる嫁に対して「まだおっぱいあげてるの?」と指摘する親世代が多いわけですね。
オムツ外し
昔⇒1歳になる前からおむつを外す練習
今⇒子供の成長に合わせてゆっくりと
昔は1歳になる前からオムツ外しを始める人が多かったそうです。
私も実際、母から「まだオムツが外れないの?私はあなたが1歳になる頃にはオムツ外れたよ」と言われ、プレッシャーに感じたことがありました。
でもオムツが外れる時期はって、子供によって個人差がありますよね。
我が家も長女と次女では外れる時期がだいぶ違いました。
おしっこをためる膀胱の発達にも個人差がありますし、トイレに座るのを嫌がる子もいます。
無理にオムツを外そうとすれば、逆に外れるのが遅くなるケースもあるので、子供のペースに合わせるのが今の常識です。
歩行器
昔⇒歩行訓練として歩行器を使う
今⇒歩行器は必要なし
歩行器は昔、赤ちゃんの歩行訓練のために使っていた人が多かったそうです。
ですが、「歩行器を使う赤ちゃんのほうが、ひとり歩きできるのが遅かった」という調査結果が明らかになり、いまは歩行器は必要ないといわれています。
歩行器の目的はあくまでも「赤ちゃんのおもちゃ」なんですね。
さいごに
「お義母さんの子育てのやり方は古いんです」
たしかに現代の嫁世代である私たちが知っている育児法は、たしかに最新で昔の育児とは違うことも多くあります。
初めて生まれる赤ちゃんの育児について、不安になれば今はすぐにネットで調べることも可能ですが、義母世代にはそれがなく、不安なときは小児科の先生に聞いたり、育児本を読んだりするしか解決策がなかったんですよね。
それにいま、私たちが正しい育児法だと信じている「今の育児の常識」が、いつか「非常識」といわれるようになる時代がくるかもしれません。
それを否定されたとき、どれほどショックをうけるでしょう。
子育てにしょっちゅう口出しする義母の肩を持つわけではありませんが、孫の育児に口を出すのは、それだけ一生懸命育児をしてきた私たちと同じ母親だったから。
もちろん、嫌味を言いたいだけの意地悪な姑もいるので一概にはいえませんが、「昔の育児」を軽蔑するのは簡単だけど、そういった時代の背景なども理解しておけば、嫁姑関係も少しは変わってくるのではないでしょうか。
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