まるで最高権力者のように振る舞い、家族を自分の思い通りにしようとするのが『支配的な姑』です。
たとえば、
- 言葉がいつも命令口調
- 自分の思い通りにならないとすぐに怒る
- お金を使って言う事を聞かせようとする
- 孫を自分の思い通りに育てようとする
など、
その言動はいつも上から目線で偉そうなので、ムカッとくる言葉や態度が多いんですよね。
嫁姑問題では姑から攻撃されるのは主に嫁が多いのですが、支配的な姑は主に自分の息子を攻撃の対象にすることが多く、その延長として息子の嫁も自分に従わせようとします。
このタイプの姑はあなたが結婚するずっと前から、家族の中で一番の権力者だったはず。
「お義母さんにハッキリ言ってよ!」
と夫に頼んだとしても、なかなか行動しないのでイライラしてしまいますよね。
子どもが結婚して新しい家族を作った時、親の立場と対等になっていくのが自然なことなのですが、このタイプの姑はそれを認めずいつまでも自分の支配下におこうとします。
そのため、偉そうに聞こえる言葉には
「あなたは私がいないとダメな人間なのだから自分だけでちゃんとやれるわけない」
「だからあなたの人生は私が決めてあげる」
というようなメッセージが隠れているのです。
一体なぜ支配的な姑はいつもそんなに偉そうな態度をとるのでしょうか?
ここでは、
- 支配的な姑の代表的な特徴
- 隠れた行動心理
- 夫が言い返せない理由
について解説します。
支配的な姑はどんな言動をするのか?
『支配的な姑』は、自分の立場を優位にするために様々な手段を使って子ども夫婦を攻撃してきます。
あなたの姑はどのようなタイプに当てはまるのか、まずはしっかりと確認してみましょう。
常に上から目線で子ども夫婦をけなす
支配的な姑は、上から目線で子ども夫婦をけなすような言葉をしょっちゅう使います。
その理由は
- 私は何でも知っているという思い込み
- 自分が相手より優位な立場だと知らしめたい
- 相手より上に立つことで満足感を得ようとする
など、様々な欲求が隠されています。
私の母もよく
「こんなことも知らないの?常識よ!」
「絶対にこうするべき!じゃないと後悔するよ」
というような言葉を口癖のように言っていたので、いつもムカッときていました。
こういうセリフをすぐ言う人は、『何も知らないあなたはダメな人間で、何でも知っている私はすごい人間なのよ』ということを相手に伝え、ただ自分が優位にたつ満足感を得たいだけ。
世の中の本当にすごい人って、わざわざ他人をけなしたり、自分をすごい人間に思わせたりすることなんてしませんからね。
自分の間違いを絶対に認めない
支配的な姑は、自分のせいで何か問題が起きたとしても、その間違いを絶対に認めようとしません。
自分の非を認めるということは、今の自分の優位な立場が危うくなると思い込んでいるからです。
なので、支配的な姑はいろんな手を使って、その危機を回避しようとします。
たとえば、
「私はそんなこと絶対に言ってない!」
「あなたの聞き間違えよ!」
など、最後には『聞き間違えたあなたが悪い』と責任転嫁までする姑もいます。
もうここまでくると、怒りを通り越して笑ってしまいそうになるのですが、支配的な姑にとっては『自分の間違いを認める』ということは死活問題なのです。
脅しを使ってくる
「〇〇しないと一生後悔しても知らないわよ」
こんなセリフ、一度は聞いたことがありませんか?
支配的な姑には、《私の言う事を聞かないと大変なことになる》と脅すような言葉を使って、子ども夫婦を自分の思うように操ろうとするタイプがいます。
実際はここまでひどい言葉ではなくても、それに近いような『脅し』として受け取れるセリフを吐くのが、支配的な姑の特徴だと言えます。
罪悪感を抱かせる
子ども夫婦が自分の思い通りになりそうにない、またはならなかった場合、今度は『罪悪感』を抱かせるのが支配的な姑の常とう手段です。
「あなた達のために私がどれだけ〇〇したか忘れたの?」
「本当にあなたって親不孝なことをするのね」
支配的な姑は、子どもに『罪悪感』を持たせることで、自分の権力を主張してきます。
健全な親なら、こんな恩着せがましいことや子どもが落ち込むようなことは絶対に言わないですよね。
お金の力で操ろうとする
支配的な姑に経済的に余裕のある場合、お金にものをいわせて操ろうとする場合があります。
簡単にいうと『私の言うことを聞くならお金をあげるけど、言うことを聞かないならあげない』ということです。
たとえば、
「家を建てるためのお金を出してあげるから、私の家の敷地内に建てなさい」
「学費を出してあげるから、孫を有名な私立の学校に入れなさい」
など
権力の象徴であるお金をちらつかせることで、自分の命令に従わせようとするのです。
もちろんお金は生活をするうえで必要ですが、この甘い罠にひっかかってしまうと、後々「あんなにお金を援助してあげたのに!」などと恩着せがましい言葉を言われ続けるのは、言うまでもありません…。
孫も支配しようとする
支配的な姑が自分の思い通りに操ろうとするのは、子ども夫婦だけではありません。
ふつうなら可愛くてしかたない孫の存在でさえ、支配しようとするのです。
どういうことかというと、子ども夫婦が決めたルール(しつけや決まり)などを無視して、自分のやり方を強行しようとしてきます。
「孫にはもっと〇〇を食べさせなさい」
「〇歳までにはオムツが外れるようにしないと恥ずかしいわよ」
などのように、孫の育て方にしつこく口を出してくるのです。
口出しだけなら「はい、そうですね~」と聞き流せますが、時にはお金を使って孫を取り込もうとするのが厄介なんですよね。
たとえばあなたが、
「誕生日やクリスマスなどのイベントでしかおもちゃは買わない」
というルールを作っていたとしても、支配的な姑は
「あなたのママはケチね!おばあちゃんがいつでも欲しい物を買ってあげるからね」
などと、あなたの親としての権威をぶち壊します。
そうなると、子どものなかで《ママはケチで、おばあちゃん大好き》といった感情が芽生えても不思議ではないですよね。
支配的な姑にとって孫の存在は、自分の《権力》を主張できる絶好の手段なのです。
支配的な姑の行動心理
ここまでいろんなタイプの支配的な姑の特徴をみてきましたが、もちろんあなたの姑が生れたときからそういう性格だった、というわけではありません。
そこには目には見えないさまざまな心理が隠れているんです。
支配的な姑の行動心理を知っておくと、イライラした気持ちに振り回されにくくなりますよ。
思い込みと決めつけ
支配的な姑は思い込みが激しく、なんでもすぐに決めつける傾向があります。
そのため自分とは違う考え方や意見を言う人がいれば「私とは考え方が違う=人間性に問題がある」のように、相手の人格を勝手に決めつけ、それを信じ込んでしまうのです。
しかも困ったことに「自分は絶対に間違っていない」と思い込んでいるので、相手がどんなにいい人間だったとしてもその決めつけた考えをひっくり返すのは至難の業です。
なのでもしあなたがこのタイプの姑に『ダメな嫁だ』と思われていたとして、その思い込みを覆すためにする努力は意味のない物になってしまいます。
実は不安な気持ちを抱えている
意外に思うかもしれませんが、支配的な姑は自信満々な態度に見えても実は、心のどこかで不安を抱えています。
これまで自分がいないとダメだと思っていた子どもが、結婚して新しい生活を始めたとき『もう自分は必要とされなくなるんじゃないか?』という不安が生まれるのです。
そのため、
- 結婚した子どもをこれまでどおり自分に依存させようとする
- 息子が嫁よりも自分のことを優先すると安心する
という、おかしな心理が働きます。
逆に子ども夫婦が自分の思い通りにならないと、上から目線で威圧し、それだけ自分が偉大な存在であるかをアピールしてきます。
不安な気持ちがあるからこそ、攻撃的な態度をとって自分の優位な立場を守ろうとしているんですね。
変化を恐れている
健全な親なら子どもが結婚して新しい生活を始めたとき、それを受け入れて見守るというのが自然なことなのですが、支配的な姑は『家族の変化』を認めることができません。
先ほどの不安な気持ちの部分とも似ていますが、いつも支配者でいたい姑は自分より下の立場の者が必要なので、子どもをずっと支配下に置いておきたいのです。
そのため、子どもが自分のもとから巣立っていく変化を喜ぶどころか、自分の権力の座を守るために子どもに罪悪感を抱かせたり、脅したりという行為が反射的に出てしまうんですね。
ここまで見ると、支配的な姑はものすごくイヤな感じがしますが、姑本人は意識的に「子どもの人生をめちゃくちゃにしてやろう」と思っているわけではありません。
ただ無意識に、相手の上に立つことで得られる満足感を求めているため、自分の行為は間違っていないと思い込んでいるだけなのです。
反抗できない夫
いつも母親の言いなりになっている夫。
「お義母さんにもっとハッキリ言い返してよ!」
と言ってもなかなか言い返せない夫にイライラしていませんか?
結婚した夫は当然自分の味方になってくれると思っていたのに、結局いつも母親の言いなりになってしまう夫を見ると、情けなくなったり好きな気持ちが冷めてしまったりしますよね。
ではなぜ、夫は母親に対して強く反抗できないのでしょうか?
支配的な姑はもともと『支配的な母親』だったため、息子であるあなたの夫を幼いころから自分に依存させて育ててきました。
要するに、《支配》と《服従》の関係が長い間ずっと続いてきたのです。
いくら愛する妻の頼みでも、子どもの時からのルールを破るというのは、夫にとって精神的にとても高い高い壁なんですね。
夫本人は無意識に、親に反抗することへの恐怖を感じているため、子どもの時からの親への忠誠心をひっくり返すことは簡単なことではないのです。
だからあなたが
「なんで私の味方になってくれないの?」
と思ったとしても、それは決してあなたに愛情がないわけではなく、ただ単に「それができない」だけなのです。
さいごに
『支配的な姑』にもたまに優しい部分があるかもしれないし、支配欲が強いというだけでその姑の性格や人格を否定することはできません。
ですが、自分の考えが正しいという思い込みからくる姑の『押し付け』や『命令』は、あなたに怒りや精神的苦痛を感じさせるだけでなく、結婚生活そのものが危うくなってしまいます。
しかも自分の息子であるあなたの夫に《絶対服従》をずっと求めてくるのなら、たとえたまに優しいことをされたとしてもその埋め合わせにはなりませんよね。
健全な親は子どもが自立して精神的に変化していくことを素直に認めて、親離れしていくように見守っていくのですが、
支配的な姑は『子どもにとって何が大切か?』ということよりも『自分にとって何が必要で快適か?』ということに関心があるのです。
そのため、自分の立場を守るためならどんなことでもする支配的な姑の言動には、『愛情』など存在しないといっても過言ではありません。
もしあなたが支配的な姑に精神的苦痛を受けていて、夫も味方になってくれていない独りぼっちの状況だとしても、ひとりで我慢して耐えていく必要はないのです。
どんなに最悪な状況だとしても、それを解決する糸口は必ずありますよ。
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